皆さんはじめまして。テモナ株式会社ヒキアゲールチームの山田卓(やまだ たく)と申します。

普段は通販ショップ様へ販売促進の提案をしておりますが、そのお打ち合わせの中で多く頂くのが、「カゴ落ち」に関するご相談です。

本日はネット通販担当者様の多くがお悩みの「カゴ落ち」の防止施策について書いていきたいと思います。

 

「カゴ落ちとは」

カゴ落ちとは、通販サイトにおいてユーザーが商品をカートに入れて商品購入フローに入ったにもかかわらず、商品を購入せずにサイトから離脱してしまうこと。

せっかくお客さんが商品をカゴに入れてレジに並んだのにもかかわらず、商品を棚に戻して帰ってしまう。
こういった現象をネット上では「カゴ落ちした」というふうに呼んでいます。

例えばこんな状況でのカゴ落ちがあります。

ユーザーが気になった商品のWEB広告などをクリック→LPなどを見て、ページ内にある「購入するボタン」をクリック→ユーザー自身の住所・氏名・年齢・電話番号などの個人情報を入力→商品の配送方法や代金の支払い方法を決定

カゴ落ち購入2ここまで来て、最後の購入確認画面まで行ったのにもかかわらず、「やっぱり買うのやめた。」とカート内ページから離脱をしまった。

通販運営者にとっては、「ここまで進んでくれたのなら買ってくれよ!」

と思ってしまいますし、何よりここまで来てくれたユーザーが帰ってしまうのはとても勿体ないことです。

せっかく商品を買ってくれそうなお客さんがレジの目の前で突然振り返って帰って行ってしまうのと同じ現象ですね。

しかし、こういったケースは通販のサイトにおいてどこのショップも多く見られる傾向で、実際に海外の調査によると通販サイトのカゴ落ち率は平均で60~80%もあるのだそうです。

つまりカートに入って、あと一歩で購入してくれるユーザーが今現在も6割以上いるということですね。

こうした「あと一歩で購入してくれるユーザー」に対して適切な対応をすることで売り上げアップにつなげることがカゴ落ち防止施策となります。
このカゴ落ち防止施策をしっかりと行うことが、売上アップにおいては非常に重要な要素になります。

 

「カゴ落ちしてしまう理由とは?」

では実際にカゴ落ちしてしまうユーザーはどのような理由でカートから離脱してしまうのでしょうか?

実際に海外で行われた、通販サイトでのユーザーの購買行動調査によると下記のようなデータが出ております。

【買い物客が自分のカートを放棄する理由ランキング】

1位想定外の費用が発生した
2位ただ見ているだけだった
3位他に安いお店を見つけた
4位全体の金額が高くなった
5位買うのをやめた
6位サイトのナビゲーションがわかりづらい
7位ウェブサイトがクラッシュした
8位購入プロセスが長すぎた
9位セキュリティチェックが過剰だった
10位セキュリティに不安があった
11位最適な配送方法がなかった
12位ウェブサイトがタイムアウトした
13位海外の通貨で表示されていた
14位支払いを拒否されていた

※出典:SHOPIFY.COM

ユーザーごとにカートから離脱している理由は様々ありますが、つまりこの離脱した理由の原因となる要素を取り除くことができればカゴ落ちを防止できるということです。

実際にカゴ落ちを防止することでどれくらい売り上げが上がるのかを下記の例を参考に見て行きたいと思います。

(参考例)
月の新規受注数:4000件
初回購入単価:4000円
カゴ落ち率:60%

仮にこのショップにおいてカゴ落ち率を借りに5%改善したとします。
そうすると以下の表の様な結果になりました。

コラム素材(カゴ落ち試算表)

 

カゴ落ち率をたったの5%改善するだけで240万円も売り上げが上がる計算になります。

更に上記は新規獲得時の初回購入時の単価ですが、これを定期購入ユーザー(リピーター)として考えると、売り上げの上がり幅は240万円にとどまらず、数倍以上にもなりえます。

 

「カゴ落ちを防止するには?」

では実際に売り上げを上げるためにカゴ落ち防止するためにはどうするべきなのでしょうか?

通常、ユーザーの購買意欲(モチベーション)が最も高いと言われるのは、
①商品を購入する瞬間の前後
②実際に商品が手元届いた時
上記2つが最もユーザーのモチベーションが高いタイミングだと言われています。

つまり、「ユーザーが商品を選んでカートに入れたその瞬間」が最も購買意欲が高いということになります。
皆さんも商品を選んで購入手続きをしている時は「お金を払って商品を買う」という気持ちになっているかと思いますが、これがWEB上でも同じことが起きているイメージです。
それに対して、カゴ落ちユーザーに対する現状の施策としては、メールでのフォローやリターゲティング広告などが主な施策となるかと思います。

これはつまり皆さんが商品を選んでいて、結局買わずにお店から離れた後に、「この商品どうですか?」と質問されているようなイメージです。
この時に必ずしも「お金を払って商品を買う」という気持ちになっているかどうかは判別する事はとても難しいため、もしお客さんの購買意欲が低い状態であればあまり効果を期待することは出来ません。

つまり現状の施策というのは”カゴ落ちした後の施策”が主流となっているのが実情なのです。

しかし上記にもある通り、ユーザーの購買意欲が最も高いのは、「購入しようとしている前後」なので、本来であればユーザーがカート内にて商品を購入しているタイミングで離脱防止の施策を行う事が最も効果的だといえます。

 

カート内にてユーザーの離脱防止をする施策もいくつかありますが、その中でも多くのECサイトで取り入れられているのがEFOツール(入力フォーム最適化)だと思います。

例えば郵便番号を入れた時に自動的に住所入力がされたり、残りの記入項目数が表示されたりといった最適化がありますが、こういったEFOツールはユーザーの個人情報の「入力の手間」を省くことが主な目的となっています。

このEFOツールではユーザーの手間を省くことに関してはとても便利なツールですが、すでに離脱を決めてしまったユーザーに対しては何も施策を打つことが出来ない。というのが難点の一つです。

入力をしてくれている時はEFOツールでカバーできますが、入力を放棄した瞬間からはもうどうすることも出来ない状態ですね。

しかし、

最近のECサイトでは、この「離脱を決めたユーザー」に対して離脱施策をしているショップが多くなってきているのです。

実際に商品を購入しようとカートに入ったユーザーがそのページから離脱をしようと「ブラウザの×ボタン」を押した瞬間に、下図の様なポップアップのオーバーレイを表示する。と言った施策です。

 

コラム素材(ポップアップアテンション)

※オーバーレイ:Javascriptを用いてブラウザの背景をグレーアウトし、その上にバナーを表示すること。

 

こういった施策は先述したように「離脱を決めたユーザー」に対してだけ実施することが出来る施策なので、カート離脱を止める上では最も効果的な施策と言えます。

この時に送るメッセージはショップ毎やユーザーの離脱理由などよって異なるかと思いますが、例えば価格購入の妨げになっている場合には「特別価格のキャンペーン」を表示したり、入力フォームに懸念を持っている場合には、「WEB注文」ではなく「コールセンター」へ誘導するなどの対応も有効な手段として考えられます。
重要なポイントとしては
①まずは離脱しようとしたユーザーを引き止めること
②予想される離脱理由を払拭させる様な文言とキャンペーン訴求をし購買フローへ誘導すること
上記の2つがカゴ落ち防止をする上で大切な要素となります。

このように、EFOツールを活用してユーザーの入力の手間を省くこともとても重要ですが、まさに離脱をしようとしているユーザーに対してダイレクトにメッセージを送り、再度購入フローへ誘導する。

こういった上記の様な施策なども併せて行うことが、カゴ落ち防止をする上で最も効果的な手段だと言えるでしょう。

 

 

「終わりに」

カゴ落ち防止施策は比較的売上アップの効果が出るのが早く、速効性の高い施策になるので、ぜひとも皆さんもカゴ落ち防止を検討してみてください。