■CRM施策としてまだまだ重要なステップメール

ステップメールは通販企業にとってはもはや当たり前のCRM施策となって久しいと思います。通販企業のCRM担当者は、一度ご購入いただいたお客様との次の関係性を構築するために日々CRM施策に頭を悩ませ、PDCAサイクルを回し続け、コンバージョン成果創出に余念がありません。

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単品リピート通販においては、購入到着後に使用開始を促す内容、お試し商品や単品商品から本商品への引き上げるための内容、定期購入者の継続利用をモチベートする内容、商品の口コミや成分情報やこだわりでファン化を狙う内容など様々なものがあります。これらは単品リピート通販のビジネスモデルを支える大黒柱と言っても言い過ぎではありません。

メールの開封率が低下しつつある昨今においても、ステップメールは一定効果を期待することが可能であり、貴重なユーザ接点であることは変わることのない事実です。メールに反応して頂けるユーザに対して、いかにコンバージョンという成果に結びつけるかはCRM担当者にとっては永遠のテーマであることは変わりありません。

■コンバージョンへの道は遠い。ユーザは想定通りには動かない!?

しかしながら、CRM担当者のその日々の努力にかかわらず、ユーザは思っている以上に制御できない存在です。残念ながら、通販企業のCRM担当者が一生懸命考えたステップメールのシナリオ通りユーザが動くとは限りません。

具体的なイメージ例を挙げてみますと、例えば、お試し商品から定期購入へのアップセルを目的としたステップメールを送付したとしましょう。ユーザのメールボックスに日々、数十通届いている様々なメルマガの中で、たまたま目に触れて、たまたま興味を持って頂けて、たまたまニーズ喚起ができたとしましょう。その後のユーザの動きを大別すると以下の2つの流れに整理ができます。

1.想定通りに動く場合
ステップメール内のURLをクリックし、サイトに訪問

2.想定通りに動かない場合
ステップメール内のURLをクリックせずに、他の流入経路でサイトに訪問

1.については、CRM担当者にとっては、想定した通りのユーザの動きであり、成果を創出するためのメインの流れです。また、このルートを通過するユーザの数はCRM担当者の努力の成果と言ってよいでしょう。
一方、2.については、CRM担当者の成果としては測定されることがなく、せっかく頑張ったにも関わらず、その努力が報われないばかりか、そもそもその存在に対してほとんど意識を払われることがなかった領域です。実はここが一番もったいない領域でもあります。

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■コンバージョンに至るシナリオを作れど、ユーザは踊らず。

想定したルートを逸脱して、サイトを訪問してきたユーザは多かれ少なかれ存在します。折角、ステップメールでニーズ喚起されているにもかかわらず、企業名や商品名などで自然検索を行って、コーポレートサイトやECサイトのトップに着地することがあります。この場合、企業側が見せたいコンテンツを素直に見てくれるとは限りません。むしろ、ユーザは自身が望んでいるページ(企業側も望んでいるページ)に辿りつく前に、離脱してしまうことがほとんどといってよいでしょう。

いままではこのパターンはほぼ制御することができず、企業側が想定しているページをユーザが訪問して、コンバージョンに至るのはほぼ運任せと言ったところでしょう。お試し商品を購入して、製品サービスを気に入って頂き、ステップメールでニーズ喚起をされているお客様が折角企業側のサイトに訪問しているにもかかわらず、サイト側でなんら制御をしていないがために、提示すべきオファーやコンテンツに辿りつかず成果に結びつかないわけです。ユーザ側も企業側も相思相愛であるにもかかわらず、だれもハッピーにならないバッドエンドに帰結してしまう大変もったいない状態です。

ステップメールがそうであるように、ユーザとの関係値に応じて、提供する情報を変化させ、ユーザが望んでいるコンテンツやオファーを提示することはCRMの基本的な考えと言えます。いままでは、メールの動的な変更はステップメールの中で徹底的な研究が進んでいるにもかかわらず、サイトのコンテンツページの動的な変更に関しては、ほとんど考慮されていなかったのが実情です。

■新しいCRM手法「ステップメールとステップクリエイティブの連動」のススメ

 そこで、私たちが提唱したい新しいCRM手法として「ステップメールとステップクリエイティブの連動」があります。そもそも「ステップクリエイティブ」とはどういった概念であるか、少し説明をさせて頂きます。「ステップクリエイティブ」とは、ユーザの購入商品や商品購入日などのユーザ属性を起点としてLPやサイトのコンテンツを動的に変える事を示すものであり、ステップメールのメールがサイトのコンテンツページに置き換わったものと考えて頂けるのが良いと思います。

 「ステップクリエイティブ」の手法を導入することにより、ユーザがLPやサイトトップに訪問した際に、ステップメールで訴求したい内容と同じ内容をユーザの目に触れさせることが可能となります。これはいままで全く制御できなかった点と言えます。ステップメール側では詳細にユーザの行動を設計しているにもかかわらず、サイト側では全く考慮しておらず、整合性が取れていない状況でした。「ステップメールとステップクリエイティブの連動」を行うことにより、この整合性を初めて取れるようになります。

いままでは、上述「2.想定通りに動かない場合」のパターンで取りこぼししていたユーザを、しっかりと想定している導線へ誘導することが可能となり、アップセルを検討頂けるユーザの母数を増やすことにより、コンバージョン数の底上げが期待できます。

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この「ステップメールとステップクリエイティブの連動」を導入している企業はまだ少数ですが、着実に成果を上げてきており、今後大切なCRM施策になるであろうと大いなる効果が期待できます。ぜひ、検討してみて頂ければと思います。